SD-WANブログ

SD-WANアーキテクチャの5大評価ポイント

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あらゆる規模の企業は業務の核となるミッションクリティカルなアプリケーションを急速にクラウドに移行しています。この急激な変化において、クラウド接続とネットワークスケーラビリティのためSD-WANソリューションへの調査と投資が増加しています。しかしながらエンタープライズネットワークを先導するITリーダーは、単にWAN拡張を行うだけなく正しく効果を出せるように新しいSD-WANソリューションをデプロイする必要があります。

 

複数のトランスポート層に起因する問題について

ネットワーク計画では、インターネットとMPLSの両方を組み込んだSD-WANアーキテクチャが設計されることは数多くあります。ただし、MPLSの特性により、MPLSからデータセンター、インターネット経由、およびその逆のトラフィックのバックホールが必要となるため、クラウドおよびSaaSアプリケーションのパフォーマンスが低下することがよくあります。
他のアプローチには、MicrosoftやAWSなどの個々のクラウドプロバイダーから直接接続回線を購入することです。ただし、このサービスを提供している通信事業者(およびクラウドプロバイダー)が提供可能な地域については制約があり、ビジネスの拡大に伴う接続先追加が常に可能である保証はありません。
さらに複数のトランスポートサービスが調達先ネットワークに含まれている場合、ハイブリッドWANのすべての要素にわたるエンドツーエンドのアプリケーションフローの制御、定義、および構成を可能にするSD-WANサービスをオーバーレイする必要があります。
複数のトランスポートサービスを含むアプローチでWANを構築することは、ITにとって非常に複雑なプロセスになります。さらに、このような複雑なネットワークの稼働を維持するため、ハードウェア、ソフトウェア、および直接接続の各々の購入/保守/管理する必要があり、コストが大幅に増大する可能性があります。
このため、増大するコストが本当に必要なものであるのか、それとも複雑なネットワーク設計に起因する(ネットワークが簡素化できれば回避可能な)ものであるのかを判断するため、以下の5つのポイントで評価することをおすすめします。

 

評価ポイント

 

1.アプリケーションパフォーマンス

応答時間の遅延は、ビジネスの生産性の損失やコンバージョンの損失につながる可能性があります。これらの問題は、大陸や海をまたがるネットワーク遅延によるアプリケーションの速度低下が原因で発生します。

 

2.パフォーマンス偏差

ネットワークパフォーマンスの変動と信頼性の低さも重要な問題です。インターネットは、データが長距離を移動するときに輻輳やパケット損失が発生しやすいパブリック(共有)メディアであるため、アプリケーションのパフォーマンスと信頼性を確実に予測することは不可能です。

 

3.複雑度

プライベートWANまたはMPLS回線を低コストのインターネット接続とオーバーレイSD-WANと組み合わせて複雑なWANインフラストラクチャを構築することは費用効果の高いアプローチではありません。

複雑なソリューションは、初期導入費用や工数に加えて、ITとネットワークの両方の専門知識が必要であり、メンテナンスとサポートに余分な工数が必要となります。

 

4.柔軟性

企業は、分散クラウドの展開、市場拡大の要件(新しい拠点の迅速なセットアップなど)、M&Aなどのビジネス要因に起因する組織やネットワークの変化を適切なリードタイムでサポートするため、ネットワークリソースをアプリケーション要件に応じて、動的、迅速、効率的に割り当てる必要があり、計画時にWANがどれほど機敏で柔軟である必要があるかを事前に検討しておく必要があります。今日の動きの早いビジネス環境においては変更に数ヶ月もかかる事態は計画時に予測および回避するよう検討しておく必要があります。

 

5.セキュリティ

クラウド用のWANを構築する際のもう1つの重要な考慮事項は、セキュリティです。ネットワーク上および異なるクラウドタイプ間を流れる機密性の高いビジネスクリティカルなデータは、保護され、安全である必要があります。したがって、企業は、データの機密性、整合性、および可用性を保証するネットワークソリューションを採用する必要があります。多くの場合、これにはネットワークベースの暗号化が必要であり、場合によっては複数のレイヤーでの暗号化が必要です。

世界各地に分散するスタッフを抱えている企業においては、信頼でき、定常的なアプリケーション配信体験をスタッフに提供するにはインターネットやインターネットベースのSD-WANに依存することはできません。

 

評価ポイントをクリアする方法について

上記5つの評価ポイントをクリアするには、下記の4要件を満たすサービス/ソリューションを探してください。

 

  1. 地域限定の接続性を提供しているだけでなく全世界での接続性を提供しているSD-WANソリューション
  2. 代替経路を探すだけでなく、ミドルマイルに存在するインターネット依存を低減可能なSD-WANソリューション
  3. 各拠点におけるパフォーマンス問題の偏差を理解し、該当する偏差を平坦化可能なソリューション
  4. 従来のMPLSおよびWAN最適化ソリューションと比較して、費用効果が高く、俊敏性(数時間から数週間または数か月以内に新しいオフィスへの接続を拡張する機能)を提供する次世代のSD-WANソリューション

上記ポイントが貴社ネットワーク問題解決の一助となれば幸いです。

また、WAN最適化ソリューションを検討する際のポイントについてこの資料も役立つかもしれません。